開放的な造りの部屋を横切った先には、広々としたテラスがあった。
ギンガムチェックのクロスを敷いた二つの丸テーブルに、優しい色合いの木材を使った椅子。
ロッキングチェアまで置いてあった。
そこへサフィラの他に5人の主婦が集まってきた。
ティファニーに依頼したのだろう。
子どもも数人いて、テラスを降りて庭で遊び始めた。
「まあ、かわいいわ」
ハンカチを受け取って、痩身の主婦が感嘆の声を漏らす。
四隅に紅花の刺繍がほどこされてある。
こっちも素敵よと別の主婦が、畳んだベッドシーツをめくる。
するとそこには蝶が数匹、色鮮やかな羽根を広げていた。
黄色い花との色合いも美しい。
「穴もふさいだけど、バランスが悪かったから、花も縫っちゃったの。
どうですか?変じゃない?」
「変だなんてとんでもないわ!
目が見えないのに、バランスが分かるなんてすごいわね〜」
「指で触って確かめれば、大体イメージできるんで」
照れながら言うティファニーの背中を、丸顔の主婦が叩いた。
こちらは枕カバーの刺繍を依頼したようである。


