「修理屋くん、もしかしてびっくりしてる?」
「あ、はい。元気な方々ですね。
やはり子どもをもつと、女性は強くなるんでしょうか」
「どうだろ……でも、ここの人たちはみんないい人だよ。
目隠ししている私にすごく親切にしてくれるし、変に思って差別することもないから……」
語尾が沈んでいく。
見下ろしてみると、ティファニーもややうつむき加減になっていた。
彼女の周りに流れる空気が、重さを増したように感じる。
「ティファニー、はやくおうちに入って。
おやつ食べようよ」
ルビがティファニーのスカートをくいくい引っ張る。
無邪気な笑顔を浮かべていた。
暗くなっていたティファニーが、口元を綻ばせる。
「ありがとう、ルビ」
ルビは嬉しそうにティファニーの手を握る。
それから空いている方の手を伸ばして、少年とも手をつないだ。
「お兄ちゃんもだよね?」
「え?」
「お兄ちゃんも、一緒に来てくれるんでしょ?」
少年が首をかしげたとき、他の主婦とのやりとりを終えたサフィラが戻ってきた。
大声で話をしたせいか、汗を浮かべている。
「さあさあ、みんな呼んだから、はやくお上がんなさい。
ホラ、修理屋さんも遠慮しないで」
家主に言われ、少年はティファニーと共に中へ入った。


