極彩色のクオーレ






少年が荷台に乗ってきた道より細く、歩きにくい程ではないがでこぼこしている。


道の端には浅く埋まった根があって、うっかりしていると躓きそうだ。


どこに続いているのか地図を見てみると、この先には少年の行ったことがない小さな村があると記してある。


そこまで分かれ道はないらしい。



(女将さん、ここまで丁寧に書いてくれるとは……。


ぼくがこのまま先へ行くと思ってくれたからでしょうか)



最後まで、たくさんお世話になった。


次ルースを訪れる機会があったら、必ずお礼をしないといけない。



「うーん、前の村もそうでしたが……宿屋の人って、本当に道に詳しいですね」



地図を指でなぞって、少年は感心したように頷いた。


少年のような旅人に教えるために、頭に叩き込んでいるのだろうか。


行ったことすらない道を覚えるのは、かなり大変そうである。



「それにしても、やっぱりこれといって突出していない道ですね。


地図がないと迷いそうです。


この目印は一体、何のことを……んん?」