「へえ、修理屋だったのか。
どうりでこんなに完璧に直せたわけだ」
カーボは感心したように言って、少年が修復した部分を軽くノックする。
そこにおっかなびっくりで座っていた狩人たちが、大慌てで止めたのはいうまでもない。
少年の腕を信じていないのではないが、それでも、破損部分に腰を下ろすのは誰だって怖いだろう。
「おまえさんなら、なんでも直せるんじゃないのか」
「物と場合にもよりますけど、まあ大体は」
「だろうな。
おまえさんほどの修理屋は今まで見たことがねえ。
『修理の天才』って噂される日も、そう遠くないんじゃねえのか」
「どうでしょうかねえ。
あまり考えたことありませんが」
「ルースへ向かっていたのも、あっちなら仕事が多いと思ったからなのか?」
「まあ、そんなところですね」
荷車が減速を始めた。
お尻に走る衝撃が弱まっていく。
外はもうとっぷりと暮れていたが、一向はどうにか、職人の街・ルースに到着した。


