カーボの口調が心なしか沈む。
少年はコクリと頷いた。
「そうですね。残念ながら、ぼくはその『天才』ではありませんよ」
「そうか。でも、あんな離れ技披露できるから、よく聞かれたりするだろ?
おまえはあの『優秀な人形職人』かってよ」
「まあ、はい」
少年は膝を抱えて座り直す。
ベルトから工具を一本取り出して、それを手の上でくるくる回し始めた。
「おまえさんもいい腕を持っているから、いつか評判になるかもしれんぞ。
奴のように、高性能なゴーレムや機械を作ったら」
「いえ、それは無理ですね」
工具を掴まえて、少年は首を横に振った。
若者が少年の肩に腕を回す。
「んな謙遜するなって。
おまえには十分、その可能性があるぞ」
「そうそう、初めっから諦めてたら、なーんにもできねえからよ。
夢はでっかく持つべきだぞ、坊主」
「どうも。
でも、ぼくが出来るのは修理や複製なんです。
造り出すことは難しいですね」


