「セドナもあんまりムキになるな。
見ていてみっともないぞ」
「……す、すいません」
セドナはしゅんとして、素直に頭を下げた。
ルーアンは作業テーブルに向くと、脇に重ねてあるメモ用紙に手を伸ばした。
すべて、ヒーラーが引き受けた依頼内容だった。
「セドナ」
そのうちの二枚を渡され、セドナは目を通した。
期限が2週間後のブレスレットに、3週間後の髪飾り。
注文した人物と誰に対しての飾りなのか、飾りの詳細も含めて書いてあった。
ヒーラーの字は女性のようにきれいで、読むのに苦ではない。
「まずは、その依頼からきちんとこなしなさい。
一つではなく、二つを同時にするんだ。
首飾りの時のようには、楽にはいかんぞ」
「先生……」
「そうしたら、徐々に依頼の数を増やしていく。
お客に求められる以上の作品を一度につくるのは難しい、それに慣れるまでが大変だぞ。
ついて来れるか?」


