ルーアンが優しく笑う。
師匠の言葉にセドナは数秒固まり、危うくブローチを落としかけた。
胸の前で握りしめ、頬を紅潮させて、勢いよく腰を折る。
「……はいっ!
今までご指導、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!」
「こちらこそお願いする。
お前が居てくれれば心強いよ。
なあ、ヒーラー」
「はひっ!?」
名前を呼ばれて同意を求められ、ヒーラーの声が変に跳ねた。
妙な笑い方をし始める。
「お、おほほ、そっ、そうですね先生。
セドナちゃんがいれば百人力!
さすが、先生がたくさん教えこんだ弟子ですよぉ〜」
(調子のいい奴!)
セドナは思いきり眉を寄せる。
誰もいなかったら蹴飛ばしていたところだ。
ゆっくりと、ルーアンが頷いた。
「そうだな。お前の代わりも十分務まるだろうな」
「はっはい、本当にその通りで……え?」
同意する途中で、ヒーラーの声が止まった。
師匠の言った意味を考える。
セドナも「え?」と声を出した。


