「二人とも、奥へ来なさい。
修理屋君だったかな?君も良かったら一緒に。
セドナの面倒を見てくれて、どうも悪かったね」
「お気になさらず」
少年はルーアンに頭を下げ返した。
そうして3人は作業スペースの奥にあるドア、ルーアンの個室の前へ連れられた。
ルーアンが入り、ものの10秒もしないうちに出てくる。
右手には何かを持っていた。
「セドナ」
何かを握る右手が差し出されたので、セドナは両手を伸ばす。
そこに、赤い宝石のブローチが置かれた。
宝石の中にはさらに小さな宝石が、いくつも詰められている。
包んでいる赤色と混ざり、きれいに反射していた。
セドナは思わず光にかざし、その反射を楽しんだ。
そんな弟子を愛おしげに見つめて、ルーアンは語りかけるように口を動かした。
「おめでとう、セドナ。
今日この時点から、お前を一人前の飾り職人と認める。
よく頑張ってきたな、これからも頼むよ」


