呆れて漏らしたセドナに、少年は首肯してみせた。
「アンタがさっさと戻ってこなかったせいよ」というヒーラーのぼやきは聞こえないことにする。
「エレスさんがこれを預けてくれたのはその時です。
ぼくが受け取れば、必ずセドナに渡ると思ってくれたからでしょう。
中にはあの二つの真珠が入っていました。
恐らく、セドナへの用事は、これを渡すことだったのでしょう。
首飾りに、この真珠玉を使ってもらいたくて」
そこまで言うと、ヒーラーが身を乗り出して少年を指さした。
気に入らない者のボロを見つけた人間と、同じ表情を浮かべている。
「ほらぁ、やっぱりグルだったんじゃない!!
とうとう白状したわね。
何よ、3人でよってたかってワタシを失脚させようとして……!
子どものくせに、信じられないわ」
少年は深いため息をついた。
唇を尖らせる。
「さっきも言ったでしょ、ぼくは勝負の不正について話しているわけではありませんよ。
それに……」


