「そんなの当然でしょ?何を言ってんの。
アンタたちがエレスさんに希望を聞き出して、それ通りに首飾りを作ったからに決まっているじゃない。
それ以外にどんな理由があるって?」
「思い出してください。
エレスさんは、セドナの作品を見ても、ある装飾については全く触れなかった。
他の宝石やモチーフについては熱心に聞いていたのに、それだけはまるで視界に入っていないかのようにしていました。
それは何でしたか?」
ヒーラーがを歪めつつ、視線を上に泳がせる。
セドナも一緒に記憶を巡らした。
自分が作った首飾り。
すべて説明したつもりだったが、確かに一つだけ話にすら出てこなかった部分がある。
「……あの薄汚い真珠?」
ヒーラーの言葉に、少年は微かに眉をひそめた。
不快が表れたが、口には出さない。
「その通りです。
彼女は真珠について、一言も言わなかった」


