「はい。それと、エレスさんとお母さんの好きなもの。
エレスさんは、もうすぐお母さんの元から離れてしまうんですよね。
だからこの首飾りを目にする度に、お母さんがエレスさんとの日々を思い出せるように作りました。
このモチーフには、二人の絆も表しているつもりです」
兎と小鳥。
露桃と縹瓜。
お互いの好きな動物がお互いの好物を持ち、それを花々が繋いでいる。
これが母娘の『絆』なのだろう。
「花はヒメウタ、石は紅珊瑚を使っています。
エレスさん、実はですね、モチーフと石の組み合わせでも、象徴されるものが異なってくるんですよ」
「そうなの?」
「はい、ですよね、先輩?」
再びセドナに尋ねられ、ヒーラーの肩がぴくっと跳ねる。
若干、顔が青ざめていた。
「っそ、そうよ〜、さすがね、セドナちゃんは。
しっかり勉強しているわ。
そうなの、使う宝石の石言葉と花言葉、その組み合わせによって新しい意味が生まれるの」


