「それにしても、坊主があんな凄腕の職人だとは思わなかった。
おまえさんがいてくれて、本当に助かったぜ」
「どうも」
「相当修行したんだろう?」
「ええと……」
「あ、違うか、やっぱり才能だよな!」
「……おそらくですが」
カーボはご機嫌だった。
少年の薄い反応を気にすることなく、胡坐をかいてアルコールの弱い酒を口に含む。
飲むかと缶を差し出されたが、少年は丁重に断った。
「カーボさんたちは、いつもこうして商品を売りに行っているんですか?」
「いつもじゃねえがな。
しょっちゅう村を空けるわけにゃいかねえからな、普段は運び屋に任せている。
でも、こうやってたまーに俺たちで運ぶんだよ。
ルースにいる、ファイア出身の連中の顔も見たいしな」
酒をあおり、カーボはずいと少年の方へ身を乗り出した。
「……なんですか」
「おまえさん、ひょっとして……あの『天才』だったりするか?」


