「ふうん、アンタにしては、なかなかの出来じゃない。
この青い宝石は、もしかしてクラック石かしら?」
「はい。俺が採取して、トリートメントも自分でやりました」
「アンタがぁ!?」
「え、あなたが!?」
エレスとヒーラーが目を丸くして、首飾りに顔を近づける。
クラック石は窓から差す日光を浴び、中に含む結晶を静かに輝かせている。
とても綺麗だった。
宝石は欠片も濁りがなく、まるで深海を切り取ってきて飾りとしたかのようだ。
飾り職人で、ここまで宝石を改変できる者はそういない。
陰で血のにじむ努力を積んできたのだろう。
「すごいわ……。一人でやってしまうなんて」
「修行の合間を縫って勉強したんです。
実際にやったのは今回が初めてでしたが、うまくいって良かったです」
細かく何度も首を縦に動かして、エレスは首飾りを眺める。
そこへ水を差すようにヒーラーが言った。


