少年は唇を尖らせ、セドナが追い付くのを待った。
遠回りのせいもあるが、主にこれが原因で、普段の3倍近く時間がかかっている。
この調子では、ルーアン工房に到着するのはいつになるのか。
「とにかく早く行きますよ。
エレスさんが何時に来るか、分からないんでしょ?
それこそ、ヒーラーに先を越されたらどうするんですか」
セドナの表情が凍りついた。
目元がひくひくと震えている。
どうやら、そういったことは何も考えていなかったようだ。
「よし、早く行こう」
「はい」
セドナの足取りが早くなる。
まだ遅い方だが、今までよりはずいぶんましだ。
やはり人通りの少ない道を選び、少年とセドナはどうにかルーアン工房へ辿り着いた。
2週間ぶりの出勤である。
接客スペースに入るや否や、ヒーラーの高く刺々しい声がとんできた。
「あらっ、ようやく来たのね~!
もう、アンタが長い間お休みとってくれたおかげで、ウチはてんてこ舞いだったのよ」


