そして当日、セドナはまるで爆弾を運んでいるかのように慎重に、首飾りを入れた箱を持った。
人にぶつかってはいけないと、大通りを避けて人気のない裏道を使う。
歩き方がとてもぎこちなく、すれ違う人々をぎくりとさせた。
少年はスタスタ進み、曲がり角のところでセドナが追いつくのを待つ、を繰り返した。
「セドナ、気持ちは分かりますが、もう少し早く歩きましょうよ」
「は、話しかけんな。
落っことしたらどうするんだよ……」
セドナが足を止めてカバンを抱きかかえ、少年を睨みつける。
手提げを三重の輪にして右手に食い込ませ、しっかり握っているのだ。
簡単に落とす方が難しい。
「首飾りは真綿と絹布にくるんで専用の箱にしまったんでしょう?
それも布で四重に包んである。
少しぶつかったくらいでは壊れないと思いますが。
そんな脆い作り方してないでしょう、手抜きではないようなんですから」
「俺が心配してんのはクラック石の方なんだよ!」
「でも、トリートメントはうまいって、宝石職人の方が言ってたじゃないですか。
これならちょっとのことでは割れないと」
「万が一ってことがあんだろ……」


