「君がヒーラーに依頼を横取りされた時ですが……言ってませんでした?」
「初耳だよ」
「それは失礼しました」
少年はペコリと頭を下げた。
自分で破いた合成樹脂膜の修理を開始する。
「……君には、いい”心”を教えてもらいました。
前に進める力になりますね」
作業をしながら、少年がしみじみと言う。
セドナは彼の言葉に、眉間にシワを寄せて首をかしげる。
「そうか?あんなん嫌だぞ。
すげえ気分がもやついて、何か無性にイライラするし、八つ当たりもしたくなる」
「でも、それは君が本気だった何よりの証拠でしょう?」
直した左胸をぽんぽんさすり、少年は服を着る。
ぱち、と視線がぶつかると、なぜかセドナは慌てて逸らした。
「あっ、当たり前だろうが!
俺は見習いだけど職人だ、生半可な気持ちで一人前なんか目指すかよ!!」
「何で怒ってるんですか?」
「るっせえ。で、どうして『悔しい』がいい”心”になんだよ?」


