思い出そうと首をひねるが、当然、覚えのないことを思い出せはしない。
少年は両手でバツ印をつくった。
「時間切れ。正解は白色です。
たまに素材の色そのものの盤もありますが、針をきちんと支えるために白く加工することが多いですね」
「ふーん。じゃあ、お前の盤は、素材の色そのものってことか」
「いいえ、違います」
少年は今度は首を横に振った。
「はあっ?」とセドナが声をあげる。
「どういうことだよ。
お前、今そう言ったじゃねえかよ」
少年は怒り出しかけたセドナを宥めた。
「焦らないでください。
その前に言ったでしょ、一般的に知られている物ではないって。
ぼくの羅針盤はかなり特殊に作られているようでして、盤に『ぼく』という人格を記憶させているんです。
どうして青色なのかは分かりませんが」
セドナはやや顎を引いた。
「……それじゃあ、針は何を記憶しているんだ?」


