「へえ〜、すげえな。
そのマスターは、一緒にルースに来ているのか?」
浮かんだ興味に素直に従って、セドナは尋ねてみる。
やや間を置いてから、答えが帰ってきた。
「半年前、森にぼくを置いて姿を消しました。
要は捨てられたんですよ」
「え……」
思いも寄らない言葉だった。
セドナは申し訳なくなって唇を強く閉じる。
見透かしたように、少年がちらりと振り向いた。
「大丈夫ですよ、捨てられたことは引きずっていません。
彼にとって、ぼくは出来の悪いガラクタだったのでしょう。
だから好き勝手やっていますよ、こうやって旅をしているのもそうですし」
「旅が好き勝手なのか?」
「人間は、自分たちの為になるものが欲しくて、物を作るでしょう?
ぼくたち人形やゴーレムもそれと同じです。
必要だと考えて造ってくれた主のために動くのが、いわば存在理由です。
今のぼくは、ぼく自身のために行動していますから」


