作業の音が、一瞬だけ止まる。
「……ええ。信じられませんか?」
「うーん、実感が沸かないっつーか。
教えてもらってからずっと見てたけど、お前って、やっぱどっからどう見ても人間だよ。
感受性というか、感情の乏しいやつに見える。
こんなに人間臭いゴーレム、聞いたこともねえや。
世界は広いんだなあ、こんなすごいゴーレム造っちまうやつがいるなんてさ」
修理を終え、少年は工具を片付ける。
椅子に寄りかかり、何もない空間に視線を泳がせた。
「ぼくは、自分のことを『マスター』と呼ばせる男に造られました。
彼の本名は知りません」
セドナは上半身をよじって少年を見た。
少年は動かず、淡々と話す。
「いや、造り替えられた、と言った方が正しいですかね。
森の中でさ迷って、壊れそうになっていたところを助けられました。
修理屋としての技術を学んだのも、マスターと過ごした時です。
マスターはぼくの主であると同時に、ぼくの師匠でもありました」


