極彩色のクオーレ






暗い感情とは比べ物にならないほど、前を向いて進んでいこうと思える感情たちだ。


この先も生きていきたいと思うことができる。


尚且つ、暗い感情たちを除外せず包み込む力もある。


己の身で、己の心で、人間に与えられた天賦の豊かさを知ることができた。


弱さも強さもどちらも持っているのが人間だ。


あれほど嫌だと思っていた存在を、愛おしいと感じられるようにさえなれた。


そして何よりも、教えられた人々との間に絆が生まれたことが嬉しい。


人と人との間にも思いやる気持ちが芽生えていた。



「ぼくハ、人ニ失望しナイ・でスミマした。


街ノ人タチに訴えかケルことガ・でキタノも、ぼくが・コレマデ覚エテキた心をミンナが持ッテイルるト、信ジテいたカラデス。

信頼スル心、覚エらレタカら」



修理屋になってから出逢った人達が、戦場のように互いを傷つけたり苦しませあったりするような関係にならなくてよかった。


むしろそれとは真逆の、暖かな想いに溢れる関係性を結べていてよかった。


おぞましい殺戮人形だった自分が関わったせいで誰かが悲しい思いをする事態にならなくて本当によかった。



「アノトきマスターに助ケラレて、修理屋トシて造リ替エラれてよカッタ。


コノ街で人ト一緒・同じよウニ動クコとができテヨカった。


ナニヨリ……」