極彩色のクオーレ






「……ぼくハ、タクさん人・殺シテキましタ」



束の間目を閉じて、ニコは息を吐き出すように言った。


ティファニーが考えるのを止めてニコを抱え直す。


ニコは目の前に雄大に横たわる水色の天井を見つめた。



「人だけジャなイ。マすたーに造リ替えてもラッテかラモ、ぼく・命を何度も奪ッタ」



それはキマイレナやシナワニたちのことだろうか。


もしかしたらルースへ来る前のことも言っているのかもしれない。



「でも、それはギベオンたちを助けるためだったでしょ?


むやみやたらに命を奪ったわけじゃ」


「ソウだトシテもぼくガ・殺シテキ、たとイウ事実・代わりアリマ・せン」



戦場の景色が遠ざかり、代わりに死んでいった獣たちの最期がよみがえる。


肩ごと腕を抉られたグリーズ。


罠に縛られ、頭をつぶされたキマイレナ。


焼け焦げて干からびたシナワニ。


棍棒で殴り殺されたウォルフィン。


他にもまだまだいる。