「大丈夫よ、心配しないで。
絶対に、絶対にニコは直してあげるから安心して……」
ティファニーは必死に考えを巡らせた。
しかし、人形職人でもない彼女がその道の『天才』と呼ばれるシャロアですらお手上げなのに方法を考え出すことは、もはや不可能なことである。
そんなこと、言えない。
ニコに助かる道がないなんて、伝えられるわけがない。
(考えるの、考えるのよ、ティファニー……。
このままじゃ、ニコが本当に壊れちゃう……そんなの、絶対に嫌!
考えなくちゃ……助かる方法は、絶対にあるはずだから)
これ以上、大切な人を失いたくない。
ティファニーは瞼に強く力をこめ、頭を動かし続ける。
(この蜻蛉花を使ったら……。
ううんダメだ、この花にニコを直す力はない、それにニコは完璧に近いゴーレムだから、そもそも意味ないわ……)
いくら考えても方法は出てこない。
じわりじわり侵食してくる絶望感に挫けそうになってしまう。


