「南東な、了解。じゃあどっかに掴まってろ。
フルスピードで飛ばすからな、落ちても知らねえぞ」
「え?」
言うや否や、シャロアが左脇にある長いレバーを降ろす。
すると鉄鳥がその大きな翼を広げて羽ばたき始めた。
その風圧に周囲にいる人々が吹き飛ばされそうになる。
セドナが慌てて取っ手を握りながら下を向くと、小柄なギベオンとケセラが飛ばされそうになっていて、気付いたレムリアンに抱えられていた。
タンザも彼の腕を掴んで耐えている。
リビアとハックはセイクリッドたちへの制裁に加わっていた。
どこか楽しげに、意気揚々として見えるのは気のせいだろうか。
後のことを想像して、セドナはそっと目を閉じた。
鉄鳥がさらに翼を大きく動かして宙に浮く。
「おりゃあ!」
石垣の壁より高いところまで上がると、シャロアは足元にある二本のレバーを一気に引っ張った。
内蔵されたエンジンが作動し、細かな振動がセドナたちのところまで届く。
「いででっ、ちょ、ケツ痛い!」
「そんくらい我慢しろよラリマー」
「お前ら喋らない方がいいぜ、舌噛むぞ」
振動がさらに大きくなり、熱エネルギーが発生していく。
そして尾の部分にある二つの噴射口から、推進力となる空気の塊が噴流した。


