剣呑さが格段に跳ね上がり、演説台の方にまで被害が飛んできそうである。
いち早く危ないと判断したリビアが、ブリキの馬から防御用の人形たちを取り出して手板を操った。
「セドナ!ティファニーを連れて逃げなさい!
ここに居たら危ないわ、あのバカ王子に殺されかねないわよ!」
「わ、分かった!」
走り出したセドナの肩を、すれ違いざまにシャロアが叩いた。
「鳥に乗れ、運んでやるから」
「助かる!」
これだけ事態が変化していても、ティファニーは石のようになって動こうとしない。
震える指先でニコの手のひらをなぞっているだけだ。
セドナはティファニーの傍らに膝をつく。
すると、ティファニーが彼の服の裾を掴み、真っ青な顔で見上げた。
「せ、セドナ……ニコが、ど、どうしよう」
「落ち着け。ここは危険だからシャロアの鳥で逃げるぞ」
「に、ニコは?」
「一緒に連れて行くから大丈夫だ。
安全なところへ移ってあいつに直してもらおう。
ラリマー、ニコを運んでくれ!」
「ああ」


