セドナが恥ずかしさのあまり絶叫し、ラリマーたちに飛びかかる。
ケセラがあわあわしながらデシンを抱きしめ、ギベオンは腕組みして楽しそうに笑い、リビアは参戦しようと手板を構える。
そしてティファニーは赤くなった頬を押さえて、ラリマーの胸ぐらを掴んでいるセドナを見た。
その眼差しは、優しさで満ち溢れていた。
ニコはそんな主人の様子を少し離れたところから黙って見つめる。
するとその隣にシャロアが並んだ。
かつての主人でありニコを捨てた彼は、何気ない調子で自分が造り変えたゴーレムに話しかけた。
「いい奴だな、ティファニーって」
「当たり前ですよ。
ぼくをゴーレムとしてでも修理屋としてでもなくて、家族として必要としてくれる人なんですから」
「家族かあ」
シャロアがくすりと笑う。
嬉しそうで楽しそうだけれど、どこか自嘲的な響きをもつ笑声だった。
その横顔に、あの森で過ごした日々が重なる。
捨てられたあの日の朝のことがフラッシュバックした。
(……これは固執しているわけじゃない。
今のぼくの主人は、ティファニー以外に考えられませんから。
……これはぼくの旅の目的。
真実を突き止めたいと思う『好奇心』の針が、それに強く反応しているから)
ラリマーやリビアに指摘された様なことはない。
断じてないと誓って言える。
ただ、どうしても聞かずにはいられなかったのだ。
ずっと知りたいと望んできたことだから。
一度ティファニーに目をやって、ニコはシャロアに向いた。


