(そっか、だからお父さんはお母さんの目を見ても怖がらなかったんだ……)
父は家に押しかけるようにしてやって来た母に一目惚れしたという。
それはすなわち、母に対して強い愛情の気持ちが生まれたのだ。
シャロアがその老人に教えられた話は本当のようである。
父らしいな、と考えていると、話を聞いたタンザたちが妙にそわそわしているのに気づいた。
ティファニーの方を見ようと顔を動かして、ぎりぎりのところでぱっと背けるを繰り返している。
「……みんな、どうしたの?」
「うえっ!?あ、いや、別にその……」
「彼ノ話のこトヲ確カめたイノか?」
「レムリアン、お前何でこういう時だけ鋭くなるんだ!」
ぴたりと言い当てられてタンザが何故か赤くなる。
他のみんなの反応も似たりよったりだった。
ティファニーはぱちぱち瞬きして全員を見つめる。
すると、ケセラとギベオンが意を決した様子でティファニーに顔を向けた。
だが目が合った瞬間に二人とも肩を大きく跳ねさせて視線を外す。
ケセラは悲鳴が漏れないよう両手で口を覆っていた。
次に見ようとしてきたタンザとハックも同じ反応をした。
ラリマーとリビアもそこまで反応は見せなかったが、怖いと感じていることは察することができた。
(やっぱり、急に慣れるのは無理があるよね)
ティファニーは諦めようとしたが、一人だけそんな素振りを全く見せていない者に気づいた。
リビアたちも各々気づいてそちらに視線を送る。
ティファニーは確かめるように呼んだ。


