「……それって、本当なの?」
「本当さ、実際におれはじーさんの目に慣れたし、それからいくら見ても怖いって思うことは二度と無かったぜ。
いやあ、人間の適応能力の高さを身をもって知ったよ。
でも、慣れるまで3ヶ月近くかかったけどな。
どうしても慣れてやりたくて、ずーっとじーさんと一緒に旅し続けてたよ」
それまで毎日、その生き残りの老人の『無色の瞳』を見ていたのだろうか。
想像してみてセドナはなんとも言えない気持ちになった。
忍耐強いというのか、努力家というのか、怖いもの知らずというのか、物好きというのか。
シャロアはティファニーたちの反応を見て楽しそうにウインクした。
どうやら他人を驚かせるのが好きな性分らしい。
「あとな、一度でも『無色の瞳』に慣れてしまえば、他の『彩霞ノ民』に出会っても恐怖を感じないっていうことも教えてもらったんだよ。
さっきまでこれも半信半疑だったけど、ティファニーの目を見ても怖くなかったから、これも本当だって分かったぜ」
「ああ、だからあんたティファニーの目を自分から見たいって言って、尚且つ喜んでいたのか」
「物好きの変態かと思ったわ」
納得したタンザの横でギベオンの容赦ない言葉が炸裂する。
シャロアはおどけて「さ、刺さる……」と左胸を押さえてよろめいた。


