ツチヘビは細い白い舌をチロチロ出し、セドナのすぐ後ろで蛇行を止める。
ゆっくりと鎌首をもたげた。
爬虫類特有の金色の目は、真っ直ぐにセドナだけを映す。
少年はできるだけ動かないようにして、一心不乱に鑿を打つセドナを見る。
今のセドナからはピリリと張り詰めた空気が流れている。
これが緩むとき、つまり、クラック石の採掘が成功したとき。
ツチヘビは、その瞬間を狙うだろう。
高く持ち上げた頭をふらつかせず、舌も出さず、セドナの首だけを見つめている。
仮に今セドナにヘビの存在を知らせても、その隙を突かれて咬まれかねない。
だが、このままでも確実にセドナは毒牙にかかってしまう。
場合によっては死に至る。
どうしたものか。
少年は心の中で舌打ちした。
――その時。
カラン。
澄んだ音色。
クラック石が割れ、静かに毛布に着地した。
「やっ、た……」
セドナの全身から力が抜け落ちる。
刹那、ツチヘビが動いた。
く、と湾曲させた首を後ろに下げ、大きく口を開けてセドナに飛びかかった。


