極彩色のクオーレ






「ありがと、ケセラ。


でも私、もう今まで通りにルースに居るのは無理だと思うんだ」


「え、どうして?」


「『無色の瞳』を見たらどうなってしまうのか、この街の人達に知られてしまったから。


馬車にぶつかりそうになった子のお母さんにも知られちゃってるみたいだし、噂になるなという方が難しいよ。


そうしたらもう、ここには居られない」



自分が化け物と思われてしまうことはきっと避けられない。


そうしたら、普通の人であるセドナたちまで巻き込んでしまいかねない。


仲間だと見なされたら彼らまで化け物扱いを受けなければならなくなってしまう。


自分と関わりを持ったがためにセドナたちまで受ける必要のない扱いをされてしまう、孤立してしまうかもしれない。


そうなってしまうのなら、ここから離れた方がずっといい。


それなら誰も苦しい思いをしないで済む。



(……バカ、またそうやって自分が苦しいことを選ぶのかよ。


本当はそうじゃないって思ってるくせに。


そんなの優しさじゃねってことに気付けよ……)



ただ卑屈になっているだけだ。


セドナはそう言ってやりたかったが、打開策が見つからないのでやはり口にすることはできなかった。


拳を握り締めて唇を噛む。


どうして自分はこんなにも何も出来ないのだろう。