「成人を迎える『彩霞ノ民』が、その土地に災いをもたらす話。
獣のことも、作物が取れなかったことも、それは全部セイクリッドがやったことだって分かったけど……。
だけど、その根源のセイクリッドがルースへ来たのは、もしかしたら……」
セイクリッドという存在そのものを災害と考えたら。
ルースを手に入れるために彼が自分の意志でやってきたのではあるけれども、もしそれが『無色の瞳』が招き寄せた災害だとしたら。
それを証明する術はないが、考えずにはいられなかった。
セドナたちは考えすぎだと言いたかったけれど、何の根拠も知り得ないので言えなかった。
ティファニーが俯いて目隠しに触れる。
「……やっぱり、この目は生き物にとって害にしかならないのかな」
「そっ、そんなことないよ!
ほらティファニー、もう明日16歳になるでしょ?
大人になっちゃえば悪いことは起こらないんでしょ、だったら大丈夫だよ。
ティファニーがこのままルースに居ても、その『無色の瞳』のせいで悪いことが起こることなんかないって!」
ケセラが明るい声音でそう言った。
他人の心に敏感な彼らしい素直な言葉である。
ティファニーもいくらか励まされた様子を見せたが、悲しげに微笑んでうつむいてしまった。


