そこから先はほとんど泣き声になっていて聞き取れなかった。
アウィンは膝からくずおれて咽び泣く。
これで決定的になった。
リビアはしばらくアウィンを見下ろしてから、セイクリッドに一歩詰め寄った。
「さあ、これがあんたが『白銀の貴公子』の下に隠していた本性よ!
この人の言葉もウソっぱちだって言いたいやつはいる!?」
当然そんな人間はいない。
衛兵たちはどうにか反論したいという様子でいたが、誰も何も言わなかった。
今度こそ形成逆転だ。
セドナたちは畳み掛ける。
「こんだけ証拠も揃ってるんだ、もう言い逃れはできねえぞ!」
「アウィンを責めるなよー、あんたがやってきた事を正直に話したんだからな」
「そーそ、悪いのはそれをやってきたあんた自身だよ」
「これでもまだ自分が無実だって言い張るのか?」
セイクリッドが顔をますます険しくする。
グリップを握る手がぎち、と不穏な音を立てた。
その姿から、強い怒りと計画が失敗した悔しさ、己の矜持が傷ついた苛立ちが心の針たちを介して伝わってくる。
ティファニーや街民たちへの罪悪感は欠片も抱いていない。
ニコはティファニーの手を離し、演説台を降りてセイクリッドと対峙する。
注目されるなか静かに、宣言するように言った。
「この街を出て行くのはティファニーじゃありません。
出て行くのはセイクリッド、君の方だ」


