極彩色のクオーレ






クラック石のすぐ下に毛布を置く。


地面に落ちて、砕けてしまうのを防ぐため、クラック石の採掘に毛布などの柔らかい布は不可欠なのだ。


セドナは長く息を吐いて、石の表面に鑿をあてる。



コーン、コーン。



槌で柄頭を叩く軽い音が、狭い採掘部屋に響く。


セドナは息を殺して、クラック石にめり込んでいく鑿の先端を見つめる。


少年もランプを揺らさないよう、静かに立ち続けた。




シュル……



その視界の隅で、何かが動く。


気になって、少年はゆっくり顔をそちらに動かした。


一匹の蛇だった。


くねくねと腹を擦る音すら立てずに地を這い、セドナの背後に忍び寄る。


橙の光に、黄緑と紫の斑模様が不気味に浮き上がる。


ツチヘビ。


小動物だけでなく、自分よりも大きな獣や人間をも襲ってその肉を喰らう、猛毒をもつ蛇だ。


最も人が少なく静かなこの採掘部屋を、狩場に選んだのだろう。


クォンタムはツチヘビが出るようなことは一言も話していなかった。


嫌な偶然が起こってしまったのだ。