極彩色のクオーレ






「約束を守ってもらえないなんてひでえです。


おらはあれだけのお金が受け取れるから、あんたに頼まれてあのよく分からねえ白い粉を堆肥に混ぜたんでやすよ?


ルースの農家の方々にみいんなちゃんと届けましたし、そう手紙に書いて送りましたよね?


それなのにいつになったらお金を払ってもらえるんすか。


おらは母ちゃんと父ちゃんの薬代にできると思ってずっとずっと待ってるのに、もう待ちきれないです!」


「いいから離れろ!」



やっとのことで衛兵がセイクリッドからニックスを引きはがした。


ニックスは腕っぷしの強そうな二人に羽交い絞めされたまま、一向に自分を見ようとしないセイクリッドに泣いて訴え続けている。


衛兵二人はそのままニックスを広場から追い出そうとしたが、住民に立ちふさがれてそれ以上進めなかった。


どくように命じても、人々は従うどころか冷たい眼差しを彼らに送っている。



「せ、セイクリッド王子!これは一体どういうことだ!」



狩猟頭が困惑と怒りが綯い交ぜになった表情でセイクリッドに詰め寄った。


セイクリッドはレンガを睨みつけながら怒鳴り返す。



「うるさいっ!僕は本当に知らないんだ!僕は何も関係していない!僕は」


「まーだこの期に及んで無実だって言うのかよ」



ラリマーはやや間延びした声でセイクリッドの怒鳴り声を遮った。


耳を派手に飾っているピアスを指でいじあくびをする。