「何の話だそれは、さっきの獣の話といい堆肥の話といい、僕にはまったく身に覚えのないことだ。
なのにすべて僕の仕業のように語られるのはいい気分じゃないね。
まだそんな話を続ける気なら、そろそろ黙ってもらうよ?」
かちゃり。
セイクリッドが別の拳銃を握り、安全装置を外した。
実力行使に移るつもりだ。
広場に違う種類のざわめきが伝染していく。
ケセラが青ざめてぱくぱく口を動かし、ギベオンは思わず臨戦態勢になる。
セドナもペイント弾を浴びたところを押さえながら身構える。
でも、やはりラリマーは焦りも驚きも怯えさえも見せなかった。
「本当に身に覚えがないのか?」
「なに?」
「いや、単にあんたが忘れてるだけなんじゃないのかって」
「僕をおちょくっているのか。君はそうまでして僕に罪をなすりつけたいのか。
身に覚えがないと言ったらないんだ」
セイクリッドが声を張り上げ、その厳しさのあまり一瞬でざわめきが掻き消えた。
途端、ラリマーが歯を見せてにかっと笑い、鉄鳥によりかかっているシャロアを振り返った。


