極彩色のクオーレ






セイクリッドの瞳がシャロアの方へ転がる。


『天才』の言葉にその意味を知る職人たちの間にざわめきが細波のように伝っていく。


言い当てられたシャロアの顔に一瞬不快そうな表情が走ったが、すぐに愛想笑いにかき消された。



「へえ、あんたおれのこと知ってるんだ。


会ったおぼえもないのにすごいな」


「今ニコがマスターと呼んでいたのが聞こえたからね。


彼を造り変えた者が『天才』だという話は教えてもらっていたから、もしかしてと思っただけだよ」



シャロアはちろ、とニコの方を向いた。


ニコは唇を尖らせて頷く。


こうやって再び会い見える日が来るとは思いもしなかったので喋ったのは事実だ。


そのことはシャロアも察したらしく、やれやれと片頬を持ち上げるだけで特に何も言わない。


それから被っていたキャスケットを外し、鮮やかな緑髪の三つ編みを揺らしてセイクリッドに笑いかけた。



「そりゃ光栄だな、一国の王子サマに知ってもらえてるなんてさ。


でもおれはギャラリーだからな。


ただ、あんな悪事を働いてるやつがどんな顔なのか見たくてついてきただけだよ」