「あーっ、本当に難しいな」
少年に渡された水筒を受け取ったセドナは手鉋を置き、土壁に寄りかかってあぐらをかいた。
しばし休憩。
1時間近くかけて土を剥がしたが、クラック石はセドナの両手ほどの広さしか顔を出していなかった。
少年も隣に座る。
「お疲れ様です」
「ああ。……でも、こっからが問題なんだよなあ。
採掘していいのは俺の手のひら分だろ?
あんな面から削り取るなんてできねえから、早く石の端っこを見つけて、そこを割って採らねえと」
水筒をあおり、セドナは立ち上がって肩を回した。
軽くストレッチをして、再び手鉋を握る。
少年もランプの蝋燭を交換した。
「はあーっ、ちょっと舐めてたなぁ。
正直、ここまで難しいとは思ってなかった」
「発掘屋という専門職があるくらいですからね」
「ああ、そうだな。
……今度から宝石を使うときは、感謝しねえと罰が当たっちまう」
セドナが土壁をポンポン叩いた。
「まだやれますか?」
「当たり前だろ?ランプ、頼むな」
「はい」
少年はセドナの手元を照らす。
土とクラック石との境目に、セドナはそうっと手鉋を当てがった。


