シャロア。
その名前にセドナが「えっ」と声を出す。
聞き覚えのある名前だった。
ティファニーも同じようで、片手で口元を押さえてラリマーたちのいる方に顔を向けた。
「『シャロア』ってもしかして、ニコを造った人……?」
そのニコは隣にいる、シャロアと呼ばれた黒ずくめの男を凝視していた。
薄荷色の瞳が大きく見開かれている。
彼の左胸にある二本の針がざわついたのを感じた。
「……マスター?」
「久しぶりだな25番目。あ、今はニコって言うんだったっけ。
ちっとも変ってねえんだな、一発でわかったぞ」
シャロアがキャスケットのつばをつまんでにかっと笑う。
一年半前、彼がニコの前から姿を消す前に見た笑顔と一緒だった。
「そういうマスターこそ、ゴーレムのぼくと同じように変わらなさすぎなのはどうし」
「な、何なんだよてめえら!
いきなり訳の分からねえモンで現れやがって、危ねえだろが!」
我に返った狩猟頭がニコの声を遮り、慌てた様子で銃を構えた。
ケセラは「ひいっ」と悲鳴をあげてデシンを抱きしめ鉄鳥の陰に隠れ、ギベオンもそれにつられて逃げ込む。
だが銃口を向けられているラリマーは平然として狩猟頭に向いた。


