少年がそう尋ねると、セドナは歩きながら得意気に言った。
「俺たちの作業はそんなに多くないぜ。
何せ、採っていいのは俺の手のひら分のクラック石だけだもん。
たくさんランプは必要ねえよ」
「そうですね。
……でも、なんでそんなに得意そうなんですか?」
「え?そうか?気のせいだろ、早く行こうぜ」
少年を置いて、セドナが奥へと走る。
途中から足取りがスキップになっていたが、彼は気づいていないようだ。
「セドナの奴、随分と嬉しそうだな」
トロッコでセドナに髪を引っ張られた若者が、採掘部屋から顔を出す。
少年を、そして通路の奥を見て、ニカッと笑った。
きれいに並んだ歯がチラリと覗く。
「まぁあの元気も、採掘始めて20分もしねえうちに半減するだろうけど」
「そうなんですか?」
「ああ。クラック石ほど神経すり減る採掘はねえからな。
おまけにちょっとのことで欠けやすい。
あいつってさ、一度『自分でやる』って決めたことほど、どんなに辛くても意固地になって続けるんだ。
意地っ張りで素直じゃなくて、見てるとかわいいんだけどよ、そういう質の奴にあの作業は、はっきり言って地獄ものだよ」


