二人の会話にクォンタムたちが豪快に笑う。
セドナはふてくされて横を向いた。
機嫌を損ねたらしい。
どうしたものかと首をひねる少年に、作業員の一人がクラック石について説明してくれた。
クラック石とは、宝石の1つ・シードルの変種である。
深い青色と緑色が多く、鮮やかな赤色はごく稀。
それらの中に、針状になった氷の結晶を閉じ込めたものが存在する。
それがクラック石、別名・針石(はりいし)だ。
クラック石は光に当てると、中の結晶が明るく煌めくので、裕福な家庭の女性たちからはかなり人気がある。
裕福でなくても、一生に一度だけでいいから身につけてみたい、手にとって眺めたいと望む婦女子は多いだろう。
しかし、限られた国や土地でしか採掘できないため、産出量は少ない。
おまけに結晶のせいで脆くひびが入りやすいため、加工することが難しい。
そのため、店ではかなり高値で売買されている。
当然、セドナにはそのような大金がない。
けれどもクラック石をどうしても使いたいので、少しでも安く入手するためにクォンタムに直談判したのだ。
そして、現在に至る。


