極彩色のクオーレ






そう話すニコの目は普段通りの目に戻っていた。


いや、違う。


別の感情で隠しているだけだ。


内側では激しく渦巻き逆巻いているのだろう。



「あ、ああ……」


「リビア、君の馬を少し参考にさせてください」


「え?別にいいけど……」



ニコは両手で計6本の工具を回し、鉄製の材料が積んである前に立つ。



カシャンッ!



瞬く間にその半分が消え、そこから立派な角を持つブリキの牡鹿が生まれた。


大人3人はゆうに跨がれる大きさの鞍も付いている。



「乗ってください」


「おう。行くぞケセラ!」


「う、うん」



先頭にニコが跨り、次いでケセラが、小柄なケセラが振り落とされないようセドナはその後ろに座った。



「頼んだわよ、ニコ!」


「はい」



短く返事をして、ニコは手綱を引っ張る。


ブリキの牡鹿は生きているかのように前足を高く上げ、力強く蹄で地面を蹴った。


馬とは異なる、しなやかで俊敏な走りにすれ違う人達は思わず歩を止めて振り向く。


その中には大工の親方の姿もあり何か叫んでいたが、ニコはそれに介さずクラウンへと牡鹿を走らせた。


狩人の集団もいたような気がする――ニコがあまりにも速く走らせ、ひょいひょい飛び越えていくから、景色がぐらぐらしてよく見えなかったが。