極彩色のクオーレ






振り返ったときにちょうど、すぐ背後をニコが歩いた。


もう一度ニコの方に顔を向けて、セドナは音を立てて固まった。


ニコの横顔が怖かった。


普段と同じ無表情、けれどもそこにある感情はとても冷たいものだった。


どこか遠くを見ている薄荷色の瞳がめらりと光を孕み揺らぐ。


これまで一度も目にしたことのないニコの顔つきに、セドナは背筋にうそ寒さをおぼえた。


リビアたちもそれに気づいている様で、誰もニコに話しかけようとしない。



「お、おい……どうした、ニコ」



ニコは恐る恐る尋ねたセドナを見た。


彼が立ち止まってこちらを向き、視線が交わった瞬間、全身に震えが駆け抜けたのを感じた。


その目は虚ろに見えた。


また、生き物が抱えるには大き過ぎる感情が宿されているようにも伺えた。


それに射抜かれて、まるで捕食者に見つかった獣のような気分になった。



「……どうもしませんよ。


それより急ぎましょう。


セイクリッドたちがキューレットに到着する前に追いつかなければなりませんし、今から足止めにくる人たちがいるのならその前に行ってしまわないと」