「っぶねえ、いきなり何しやがる!」
「蹴られて当たり前よ、何を悠長にしてんの。
恋敵に攫われたのは、あんたのだーいじなお姫様でしょ?
腹黒で根性ねじ曲がった王子様から助けるのは、本物の王子様の役目じゃない」
そう言って、あの強気な笑みをみせる。
レムリアンが無言で頷き、タンザとハックはにやにや笑っていた。
いつもなら真っ赤になり、羞恥で素直になれず否定する場面。
しかし今は違った。
胸をくっと張って同じように笑んで答える。
「当然だ、ティファニーは俺が助ける」
好きな相手を守ることが、助けることができなけれなければ男ではない。
言い切ったセドナに、真っ赤になると思っていた3人は鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。
タンザとハックが聞こえる声でわざとらしく耳打ちをし合った。
「ちょっと聞きました奥さん、今のセドナくんのセリフ」
「ええばっちり。『俺が助ける』ですって。
まあまあティファニーのことを言われればすぐにタコになっていたのに」
「成長しましたねえ、恋の力は偉大ですね」
「これで実行できれば最高ですけど」
(……とりあえず、戻ったらタンザとハックはぶん殴る)
笑顔の下でそう決めて、セドナはニコがまだ黙っていることに気づいた。
「おい、ニコ……」


