ケセラだけではない。
セドナやティファニー、リビアやタンザたち、ギベオン自身もそうだ。
ニコと関わった人間は多かれ少なかれ、変わることができる。
それは直接的なときもあれば間接的なときもあるが、それでも、ニコには人間をいい方向へと変化させる力があるのだ。
人間同士でも難しいことだ。
だから、そのニコを家族として大切に想っているティファニーを、彼から引き離してはならない。
60年以上動き続けて、ようやく手に入れた温かい場所なのだ。
(ボクもこいつも、ニコに助けられた……。
今度はボクたちがあいつを助ける番だ)
「いてっ」
もう一発ギベオンに殴られ、ケセラは両手でおでこを押さえた。
ギベオンは握っていた拳をほどいてひらつかせると、にっと八重歯を見せて笑った。
「だったら、ボクがあいつらにちょっかいかける前にニコたちを呼んで来いよ。
ボクはせっかちだし、セイクリッドも急いでるだろうし。
早くしないと、待ちくたびれてこの爆弾を投げつけちゃうからな」
「絶対に間に合わせる」
「言ったな、自分の発言には責任持てよ」
「もちろん」
ケセラもキシシと歯を見せて笑い返した。


