「だからお前はさっさとニコたちを呼んで来い。
ボクはそれまであいつらを」
「ダメ」
短くケセラが遮る。
ムッとしたギベオンに睨まれて一瞬「うっ」と怯んだ顔を見せたが、すぐに真剣な顔つきになった。
「そんな危ないこと、ギベオン独りだけにさせるわけにはいかない」
「だからボクは大丈夫だって」
「ギベオンがどう思ってるとかじゃないよ。
僕がさせたくないんだ」
ケセラがきっぱりとギベオンに初めて意見した瞬間だった。
驚きを隠しつつギベオンが冷たく睨んでも、彼はもう怯まなかった。
いつもおどおどしていて、誰かと衝突したくないから自分の意見をろくに言わない、面倒な奴。
そうだったのに最近は、結局言い負けはするけど、それでも自分の気持ちを口にしようと努めるようになっていた。
それが今、これだけは譲らないという強い気持ちを持って、ギベオンにぶつかっている。
(……こいつ、こんな目をして意見できるんだ)
また知らないケセラの面を垣間見た。
恐らく成長した一面だろう。
ニコと関わって、自分の立てた作戦でキマイレナを仕留めてから、ケセラはいい方へ変化している。


