「ラリマーの言うとおりだったな。
あんなやつに注目していたなんて、ボクもどうかしていた。
最低の王子様だね」
「ぎ、ギベオン、ティファニーは……?」
あわあわ青ざめるケセラに死んでないと短く告げ、ギベオンはじり、と彼らの方に少しだけ近づいた。
セイクリッドを中心に何やら話し込んでいるようだが、ここからでは内容が聞き取れない。
「……のようですね、あいつらもうまく動いてくれている」
「あとはこの化け物をヨリジェに連れて行くだけか。
あの目を見たときはどうなるかと思ったが、案外簡単に片付きそうだな」
「いや、油断はできません。
キューレットへ急ぎましょう、あの村の方がここより国境に近い。
彼らに勘づかれたとしても、国境を越えてしまえばこちらのものです」
セイクリッドの言葉に、一行は通りの方へと移動していく。
ギベオンが様子を伺いながら、少し遅れてケセラが後をつける。
そこには二頭の黒馬と数人の衛兵が居た。
うち一頭は荷車につながれており、ティファニーはそこへ載せられた。
両足に黒い枷が嵌められ、その鎖は荷車のへりとを結んでいる。
檻はないがそれでも、まるで家畜のような扱い方だ。


