「まだ他に直すものはありますか?」
少年はキョロキョロ中を見回す。
その脇には、新品同然のスコップとツルハシが十数本ずつある。
見ると『処分』の箱に入っていたはずの壊れた工具がなくなっている。
少年が、セドナたちがトロッコに注目している間に、すべて修理し終えたのだ。
クォンタムが慌てて首を横に振った。
「いやいや!こんだけ直してくれりゃ十分だ。
これ以上頼んだら釣り合わなくなっちまう。
ありがとうよ。
こんだけしてくれたら、発掘料はチャラにしねえとな」
「っし!」
セドナが小さくガッツポーズをする。
それから少年の脇腹を肘でつっついた。
「よくやった」の合図である。
セドナたちが打ち合わせをしている間に、少年は直した工具を戻しに行った。
ツルハシは専用のスタンドに立て、スコップは壁に吊るす。
すると、一人の作業員が寄ってきた。
「なあ、えっと、修理屋だっけ?」
「はい」
「あんた、すげえんだな。
何でもあんなすぐに直せるのか?」
「物でしたら。
修理時間は対象物や損害の大きさにもよります」
「へー、そうなのか」


