(科白取られたからってそんなに怒るなよな……)
タンザは呆れながら思ったが、とばっちりを食らいたくないので黙っておく。
代わりに周囲を見回した。
「あいつら今どこにいるんだ?
どうせ仕事とか言って遊んでるだろうし、テガミバトにでも伝えさせるか。
ええと、笛はどこやったっけな」
右手にメモ帳と鉛筆を持ち、空いている手でタンザはポケットをさぐる。
その肩をハックがトントンつついた。
「いや、テガミバトにさせる必要ないぞ。
噂をすれば影だ」
「あ?」
そろって怪訝な声を出して、セドナたちはハックが指差す方に目を向ける。
タンザが来たのとは別の西通りに、こちらへ走ってくる小さな人影を見つけた。
その後ろを、何かがぴょこぴょこ跳ねて付いていく。
「あれってケセラですか?」
「どう見てもケセラでしょ、何言ってるのよ。
あの後ろを跳ねてるはデシンだわ、一目見て分かりなさいよ、そのくらい」
「そうですね、失礼いたしました」
「リビア、そこまできつく言う必要あるのか?」
「はあ?あたしのどこがきついんですって?」
「に、ニコさあんっ」
ハックに詰め寄るリビアの声に重なって、ケセラのへろへろな声がとんでくる。
何もないところで派手に転び、タンザが慌てて助け起こした。


