「まあ、叶太。ここは諦めて、運を天に任せてはどうだ?」

「任せたらどうなるの?」



オレは憮然として、聞き返した。



「そりゃ、別々のクラスだろうな」

「なんでだよ! 運を天に任せるって言っておいて、なんで別クラス決定なんだよっ!?」

「学園長から打診が来ていてね。今年はどうしますか、と」

「で?」

「陽菜ちゃんに頼まれたとおり、あえて同じクラスにする必要はないと答えたよ」



……………っ!!



ギリギリとオレは奥歯をかみしめた。


「そう怖い顔でにらむなよ」

「親父がそんなことを言ったら、」

「そうだろうな。同じクラスにして欲しくないんだと思うだろうな」

「勘弁してくれよっ!!」



親父は肩をすくめた。



「ま、事前に教えてやったんだ、パパに感謝しろよ」



この期に及んで、何がパパだ。



「感謝できるかっ! くそっ!」



舌打ちすると、親父は苦笑した。



「叶太。言葉遣いには気をつけなさい」



そうして、親父は頭から火を噴きそうなくらいに怒っているオレの肩を、ポンと叩いて、



「検討を祈る」



なんて言葉を言い残して、笑いながらリビングを後にした。