「血が薬になるだあ?」
話を聞くと、永倉さんが目を丸くした。
「池田屋でそんなことが起きていたとはな」
「そりゃあ、上様が欲しがるはずだ。
国の行く末がかかっているこの時に、病に伏せるわけにはいかないからな」
斉藤と土方さんは、納得した表情でうなずいていた。
「まあ、ここに人狼がいるし、そういう体質のやつもいるんだろうけど……隠すなよ。
病になろうが、俺たちが故意に楓を傷つけるなんてこと、するわけないだろ」
原田さんがため息をついた。
たしかに、彼らを信用していなかったと思われても仕方がない。
謝ろうとすると、平助が震えた声で、うつむいたままぽつりと言った。
「池田屋で、楓は命をかけて総司を助けたんだね。
普通、できないよ。
狼に、自分を噛ませようとするなんて」
「……ああ……」
俺は楓に、いったい何度助けられただろう。
きっと心細くいるであろう彼女のことを思うと、胸が苦しくなった。
すると、平助が顔を上げ、怒鳴る。
「……それだけ惚れて、惚れられた相手なら、新撰組を抜けてでも、絶対に助けてやれよ!!」
話を聞くと、永倉さんが目を丸くした。
「池田屋でそんなことが起きていたとはな」
「そりゃあ、上様が欲しがるはずだ。
国の行く末がかかっているこの時に、病に伏せるわけにはいかないからな」
斉藤と土方さんは、納得した表情でうなずいていた。
「まあ、ここに人狼がいるし、そういう体質のやつもいるんだろうけど……隠すなよ。
病になろうが、俺たちが故意に楓を傷つけるなんてこと、するわけないだろ」
原田さんがため息をついた。
たしかに、彼らを信用していなかったと思われても仕方がない。
謝ろうとすると、平助が震えた声で、うつむいたままぽつりと言った。
「池田屋で、楓は命をかけて総司を助けたんだね。
普通、できないよ。
狼に、自分を噛ませようとするなんて」
「……ああ……」
俺は楓に、いったい何度助けられただろう。
きっと心細くいるであろう彼女のことを思うと、胸が苦しくなった。
すると、平助が顔を上げ、怒鳴る。
「……それだけ惚れて、惚れられた相手なら、新撰組を抜けてでも、絶対に助けてやれよ!!」