良子さんの家はバイト先のコンビニから歩いて５分ほどの場所にあった。

以前同じ時間帯に働いた時に聞いた通りの場所だった。


表札に見慣れた苗字を見つけ、あたしと実紗は立ち止まった。


「たぶん、ここだね」


「うん……」


実紗の言葉にあたしはうなづき、中に人がいるかどうか伺う。


家の中からは何も聞こえてこず、誰かがいるかどうかわからなかった。


「チャイム、押すね」


少し緊張しながらチャイムを押すと、しばらくして２階から下りてくる足音が聞こえてきた。


「はい」


玄関を開けて出てきた良子さんが、あたしは救いの女神様にうつった。


「良子さん！」


「どうしたの２人とも」


良子さんが驚いた顔であたしと実紗を見つめる。